AIが病気のサインを発見!

Deep Learning/医療活用事例

業種:医療機関/医療研究機関

このストーリーは、ディープラーニングソフトウェアとNVIDIA GPUテクノロジーを活用し、いわゆる成人病を含む、慢性的疾患の予測による予防について、GPUテクノロジーカンファレンス2017(GTC2017)で講演されたものです。

テーマ

ニューヨーク大学ランゴーン医学校教授のナルジェス・ラザヴィアン氏は、慢性的疾患について、「多くの疾患が予防できます。しかしそれらはとてもゆっくり進行するので、患者が悪化していることを認識しないのです。」と問題を提起しています。
そのために多くの患者が深刻な状況になってから治療をはじめ、より厄介な方法をとらざるを得なくなっています。

疾病を予測するAI

ラザヴィアン教授は、彼女のニューヨーク大学のチームが、どのように200の慢性的疾患を、電子カルテ(Electric Health
Records: EHRs)を分析し、病理検査や医師のノート、X線検査のような伝統的な方法による予測より3か月も早く予測したかということを説明しました。
ラザヴィアン教授のディープラーニングソフトウェアは、18の一般的なラボの測定結果を3年以上集めたデータを学習して、心不全、腎疾患、肝不全、糖尿病、関連するホルモンの疾患を正確に予測しました。
たとえば、このディープラーニングソフトウェアは、患者の深刻な腎疾患を予測し、人工透析のような治療方法なしでも救うことができるようになりました。
「我々は治療から予防へ移行していくのです。」ラザヴィアン教授はそう話します。

疾病につながる隠れたリンクを発見

研究者たちは、患者の体重、血圧、血糖値、肝機能、コレステロール値、というような900もの検査結果から関係性をひきだすことで、タイプ2の糖尿病を予測しました。
そのプロセスにおいて、彼らは糖尿病から関連するとして典型的ではないいくつかの要素を発見しました。睡眠時無呼吸あるいは急性気管支炎、甲状腺機能低下、無月経などの病歴、これらの要素から疾病の予測ができます。
「この発見は、我々を疾病の生化学的なメカニズムに近づけてくれます。」とラザヴィアン教授は語りました。

ディープラーニングはどうやって予防を助けるのでしょう

疾病を予測するために、研究者たちは2つのニューラルネットワークを、410万人の保険加入者から選ばれた、20万人の病理検査結果と診断情報を学習させました。
それらのデータは、分類や処理の行われていないという意味で、「生」です。
このチームはこれらの研究に、ニューヨーク大学医療センターの独創性の向上のために、25万人のリスクの高い患者に対するナースの訪問や電話を提供するテストを実施しました。
ある症状に悩まされる患者は似ていて、ディープラーニングをつかうことで予測ができ、これらは病院が疾病を予防する目的で、集中的な生活スタイル管理プログラムを行うことが効果的な患者はだれか、ということを決めるうえで役立ちます。
それらの仕事は、リスクの高い患者への自動的にスケジュールされたナースの訪問や選定テストについても助けになります。
ラザヴィアン教授とほかの研究者たちは、EHRsとディープラーニングを使うことで、的確な医療とそれぞれの患者にカスタマイズされた疾病予防と治療に対するアプローチの進歩を期待しています。

「この仕事の応用範囲は膨大で、限界があるとしたら人的リソースや時間だけです。」と、ラザヴィアン教授は締めくくっています。

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本記事はThe Official NVIDIA Blogの記事を抄訳したものです。
Prevention by Prediction: How AI Spots Early Warnings of Disease
(2017年5月25日付)

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