患者一人一人の心臓モデルをAIで作成

NVIDIA GPUテクノロジー/医療活用事例

業種:医療機関/医療研究機関

このストーリーは、CTスキャンデータをディープラーニングアルゴリズムで、患者個人の心臓の3D画像を構成し、血管や血流の状態を見て診断を行うことのできるハートフロー社のソリューションをご紹介したものです。

テーマ

心臓に血液を供給するための血管である冠動脈の疾患を、外科的処置である血管造影術ではなく、CTスキャンデータをもとにNVIDIA GPUテクノロジーとディープラーニングで3D画像を作り出すことで、時間と費用の節約が可能となります。

※ハートフロー社製品の画像ではありません

冠動脈性心疾患は世界的に見ても死因のトップに入る疾患で、全世界で9百万人の死の原因であり、さらに毎年12-13百万人のアメリカ人が診断を受ける疾患です。
医療関連技術企業であるハートフロー社は、よりよい解決方法の調査にGPUアクセラレートされたディープラーニングを使用しています。

心疾患はしばしば診断されないまま進行するので、深刻な状態で発見されることが多い疾患です。
悲劇的なことに、疾患はときには間違った診断を下されてしまいます。特に女性の患者にその傾向があります。
心臓疾患は医師にとって診断が難しい疾患です。なぜならつい最近まで一番良い検査が血管造影術で、これは侵襲的な外科的処置を伴い、かつ費用の高い手技なのです。

ハートフロー社は、侵襲的ではないほかの方法を提供しています。
それは全世界で数万以上の医療施設で利用が可能な一般的なCTスキャンデータと、複雑な流体力学とディープラーニングのアルゴリズムの組み合わせで構成されます。
具体的には患者の心臓の3Dマップを作成して、医師に詳細な血管の閉塞や血流の状態の情報を与え、診断のもととなるデータとして扱われます。
このアプローチは、臨床医がそれぞれの患者に対して適切な処置を行うことを可能にし、患者のクオリティオブライフの大きな向上をもたらす可能性を提供します。
さらに60%の患者が血管造影を避けることができ、医療費を25%低減することができるということを意味します。

AIでクリアな画像を見る

心臓の各個人のモデルをつくることは、複雑な課題です。
個々の患者のための3Dのサブボクセルのモデルつくるほかに、ハートフロー社のシステムは血管から血管への血液の流れをシミュレーションします。

診断は緊急救命治療部門では一刻を争って行われることもあります。
「緊急救命部門に冠動脈性心疾患と思われる患者が到着したときは、彼らは早急に診断されることが必要です」、ハートフロー社で技術部門のシニアVPであるレオ・グラディは言います。
この問題を解決するために、ハードフロー社はNVIDIA GPUをつかったディープラーニングに取り掛かりました。
同社は、血管の分析に通常のディープラーニングに血管に特化した新しいアーキテクチャを使って導入しています。
コンピュータービジョンアルゴリズムは、医療画像データを分析し、患者の心臓と冠動脈の個人的な3Dモデルを、CTスキャンから読み取れる情報を分析して作成します。
このモデルは、イメージデータをベースに精巧で正確なモデルを作るために必要な修正を行う訓練されたプロフェッショナルのチームによって、慎重に評価されます。
これらの変更は、アルゴリズムが学習して性能向上をすることができ、それによりもっと多くのイメージがアルゴリズムによって処理され、より正確になっていくというものです。

世界中の命を救う

ハートフロー社のソリューションは世界中の医療機関で採用されています。
米国食品医薬品局もこのことを発表しています。
これは英国国立医療技術評価機構の強力な後ろ盾を受けてのものです。
「GPUアクセラレートされたディープラーニングを使うことで、我々は医師が確実で個人的な診断をもっと早く行うことができるように支援しています。」ハートフロー社グラディVPが言います。
「これは患者にとっては非常に良い成果です。そして医療システム費用の節約にも貢献します。」

本記事はThe Official NVIDIA Blogの記事を抄訳したものです。
「Heart Smart: How HeartFlow Uses AI to Detect Heart Disease」
(2017年7月6日付)
https://blogs.nvidia.com/blog/2017/07/06/heartflow-detect-heart-disease//

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