GPU＆ディープラーニングで太陽の未来を予測
NVIDIA GPUテクノロジー／宇宙科学活用事例
業種：大学/科学技術研究機関
このストーリーは、太陽の未来の姿である、赤色巨星の生涯の段階をAIを使ってより早く、正確に研究することができるようになるという内容です。
テーマ
太陽系以外の地球と同等の惑星を探査するというミッションと関連して、太陽の未来の姿である赤色巨星の生涯のフェーズの研究に、オーストラリアとデンマークの研究者はGPU＆ディープラーニングへの情熱をもって、より早く正確なデータを得ることができました。
数光年の彼方で、高密度な星は赤色巨星のようなその生命の火のステージに向けて燃え盛っています。
星の進化過程の最後のステージで、星の老化の正確なフェーズを決めることは大きな挑戦です。
オーストラリアとデンマークの科学者チームは、NASAのケプラーミッションによって指定された赤色巨星のフェーズを予測するためのディープラーニングシステムの学習を行いました。GPUで強化されたシステムは、非常にこの仕事をスピードアップさせ、目を見張る正確さを提供しました。
赤色巨星はその生涯において２つのフェーズがあり、外部から見ると非常に似通って見えます。
若い赤色巨星はヘリウムの核の外側にある水素を燃やしています。一方年老いた赤色巨星では核であるヘリウムを燃やし始めるのです。
その違いを究明することは天体地震学（星の内部構造をその周波数スペクトルを解釈することで研究する科学。星震学）において行われます。オーストラリアニューサウスウェールズ大学のマーク・ホン博士およびその論文の共同著者によれば。「その星の組成は星の振動の周波数で特定できます。」ホン博士は解説しています。
「我々はそれらの周波数をその星からくる非常に小さな光の揺らぎを観察して計測します。」
パワースペクトラムとして知られている周波数をプロットして周波数を視覚化することで、核のヘリウムが燃えている赤色巨星のパワースペクトラムが、水素の殻が燃えている赤色巨星のそれよりもごみごみしたパターンを見ることができます。
表示されたパターンによって決まりますが、人間の目がスペクトラムの後ろにある一つの星を推測するのに数秒かかります。
これはそれほど長い時間に聞こえないかもしれませんが、天の川銀河にある文字通り1,000億の星を一人で見るということを想像してもらえれば、非常に長い時間であることがわかると思います。
それが彼ら研究者がディープラーニングアルゴリズムに取り掛かった理由です。
「もしこれを手作業で行うとしたら、１つの星を認識するのに少なくとも5秒から10秒かかるでしょう。一方ディープラーニングアルゴリズムはほんの数秒で幾千もの星を予見します。」ホン博士は言っています。
研究者は、イメージ描写をディープラーニングシステムが理解できるスペクトラムデータに変換することに決めました。
これにより今まで以上のデータ分析、早期のフィードバックと99％の正確性が得られたのです。この結果、AIは7,600の変化赤色星の、5,400のまだ過去に分析されていないものとを分類しました。
これはおよそ500の手作業による星の分類に相当します。
このシステムは、cuDNN(CUDA deep neural network) ライブラリとNVIDIA® Quadro® グラフィックにより増強されたワークステーションに学習させた環境で構築されました。
パワースペクトラムの周波数が赤色巨星の生涯におけるフェーズを明らかにするだけでなく、AIは最初の場所でその星が振動していたかどうかというような、もっと多くの情報を解明するように学習することができます、とホン博士は言っています。
そのような年老いた星のフェーズについて知ることで、彼らの研究は天の川の構造と進化を探るために赤色巨星の場所のマッピングを行う上で有用です。
「我々はディープラーニングをパワースペクトラムにおけるほかの特徴を調べることに利用することができ、そしてAIが我々に星のそのほか多くのことを教えてくれる可能性があります。」ホン博士は語りました。
現在のところ、彼らのディープラーニングアルゴリズムは、データセットが増えるにしたがってより正確になり、従来からの伝統的なつまらない作業から彼らを解放してくれました。
本記事はThe Official NVIDIA Blogの記事を抄訳したものです。
「How AI Can Determine the Future of Red Giants Like Our Sun」
（2017年8月4日付）
https://blogs.nvidia.com/blog/2017/08/04/red-giants/
Image：NASA Goddard Photo and Video
GPUテクノロジーを体験したい方は、リアルイベントご参加をご検討ください！
GPUテクノロジーイベントカレンダーは こちら から
