IoT構築の2つの壁
組込みデータベース Empress によるIoTソリューション構築のポイント

はじめに

「IoT」という言葉が広く世の中に浸透してきましたが、実ビジネスとしてはどうでしょうか?
IoTが自分のビジネス拡大にどうかかわるかイメージしづらい方も多くいらっしゃると思います。IoTビジネスは難しいといわれいますが、実は「こつ」をつかめば案外簡単なのかもしれません。Empress(エンプレス)では、Empress IoTソリューションを紹介するときは2つのキーワードを使って説明しています。2つのキーワードとは「セキュリティ」と「トレーサビリティ」です。

現在、多くの企業がIoTに取り組んでいますがそれらの多くはまだPOC(Proof of Concept 概念実証)の領域を抜け出せずにいます。実は運用可能なIoTソリューションを構築しようとすると2つ壁があります。その2つの壁が「セキュリティ」と「トレーサビリティ」です。Empress IoTソリューションの最大の特長はこの「セキュリティ」と「トレーサビリティ」を保証するソリューションを提供できることです。

セキュリティ

具体的にIoTのセキュリティとは何のことでしょう?
それは、
1.データの漏洩
2.通信しているデータの透視
3.デバイスのなりすまし
の3つを防止することです。

1.データの漏洩
IoTで使用される中継器はマイクロサーバ型が多いため「盗まれる」というリスクが発生します。EmpressのIoTソリューションは中継器が盗まれても中継器内のデータはすべて暗号化され、暗号化鍵はリモートもしくはクラウドサーバで保管され、中継器内に保存されていないので、データの漏洩が発生する恐れはありません。

2.通信しているデータの透視
次は通信中のデータの透視の防止です。そのために工場内LANからクラウドまですべての通信を暗号化がすることが必要です。すでに工場内LANは安全であるという神話が崩れ始めています。Empress IoTソリューションは工場内LANをOPC UAで暗号化します。OPC UAは通信が暗号化されるだけでなく、Industrie 4.0(インダストリー4.0)で使用される非常にOPEN性の高いプロトコルで、今後、多くのFA機器がOPCUAに対応すると思われます。OPC UAとSSL通信を使用することにより工場内LANからクラウドまで、すべての通信の暗号化が可能になり通信中のデータを透視することはできなくなります。
※OPU UA: 産業オートメーションの統合アーキテクチュアー(セキュリティなど)。

3.デバイスのなりすまし
上記の2つの機能でデータの漏洩、通信しているデータの透視が防げても中継器のなりすましを防止できなければ、IoTソリューションのセキュリティは万全ではありません。Empress IoTソリューションは中継器がリモートサーバもしくはクラウドで認証後に初めてアプリが起動されますので、中継器のなりすましによるデータ漏洩は発生しません。

さて、以上でIoTソリューションのセキュリティは保証されました。次はデータのトレーサビリティをEmpressはどのように保証するのでしょうか?

トレーサビリティ

データのトレーサビリティとは具体的に何のことでしょうか?
単純にいうと中継器内のローカルデータベースとリモートデータベース(たとえば基幹サーバやクラウドのデータベース)の間にデータに欠損や重複がなくすべて同期されていることを意味します。それではトレーサビリティが保証できなくなるのはどのような事故があった場合でしょうか?

1.中継器の電源に瞬断があった場合
この場合、事態はかなり深刻で、トレーサビリティの問題だけではなく、ファイルの破損が発生しているかもしれません。
Empressは中継器に電源の瞬断があってもデータはすべて暗号化組み込みデータベースに保存されてます。これをインメモリーに配列で保存していた場合は修復不可能ですし、ファイルシステムを使用してデータ管理をしている場合はかなりの確率でデータが破損し、再使用できなくなります。それではEmpressはどうでしょう。Empressは電源の瞬断後に電源が回復されると、自動修復関数がコールされ、自動的に修復します。その後、正常に起動されたEmpressは送信していないデータ記憶していますので、自動的に送信を再開し、トレーサビリティを保証します。

2.中継器の電源に断線が発生した場合
次に懸念されるのはシステム内に断線が発生した場合です。中継器内のEmpress組込みデータベースは送信先のデータベースがどこまでデータを受信したかを記憶しています。つまり、中継器内のローカルデータベースがリモートデータベース(たとえば基幹サーバやクラウドのデータベース)に送信し、リモートデータベースが受信して初めてひとつの取引が終了するという不可分操作でデータベースのトランザクション処理という技術を使用しています。ですので、断線が復旧したらローカルデータベースはリモートデータベースが受信していないデータからリモートデータベースに順に送信を再開し、トレーサビリティを保証します。

以上のようにEmpressのIoTソリューションは「セキュリティ」と「トレーサビリティ」を保証することが可能です。IoTにご興味を持っているお客様には、セキュリティやトレーサビリティについての課題や方向性を明確にすることで、課題解決の糸口がみつかることでしょう。

メーカー名 株式会社 Empress Software Japan
URL http://www.empressjapan.co.jp/
会社概要 Empress Software社は1979年に設立後、メリーランド州グリーンベルト、カリフォルニア州サンノゼからグローバル企業へと成長しました。 現在、本社及びインターナショナル、サポート部門はカナダのマーカハム(トロント近郊) に位置し、ディストリビューターチャネルを通してビジネスを行っています。 Empress の顧客とのテクニカル・リレーションシップ、サポートプログラム、ユーザーグループを通じて得られた情報や経験は、トロントの R&Dセンターにて各種Empress 製品機能の拡張へ反映されます。
アピールポイント Empressは、組込みデータベースの開発、移植、サポートをワールドワイトに展開しています。
Empressの組込みデータベースは通信機器、車載搭載機器(カーナビゲーション等)、POSターミナル、計測・制御機器、医療電子機器、テレコミュニケーション機器、携帯電話、情報家電等の各種デバイスに幅広く使われております。
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