Semtech 技術記事連載 第5話 Part2
車両におけるLVDS/CMLデバイスの保護

前回は、車載向け通信インターフェース「LVDS」について紹介しました。
LVDSは、ツイストペアやツイナックス差動ケーブルを使用したデータ通信用の高速長距離デジタルインターフェースです。
さらに、LVDS向けの推奨品として、下記RClamp0594PWQをご紹介しました。

図1:LVDS保護によく使用される製品、RClamp0594PWQの概要 ©Semtech Corporation

前回(Part1)の記事はこちら

今回のPart2では、もう一つの“低電圧で高速の差動信号やシングルエンド信号”であるCMLをご紹介します。

低電圧差動信号(CML)とは?

図2にあるような画像データ通信に使用されるI/Fとして、LVDSよりもさらに高速で長距離伝送が可能な通信方式がCMLです。現在ではCMLは一般的な通信方式の一つです。FPD-LINKIII/IV, GMSL, GVIF等の名前で呼ばれている高速のSerDes(Serializer/De-Serializer)の IOで使用している技術になります。

このCMLのドライバー・レシーバーの特徴は図3のように伝送路の特性インピーダンスに合わせ、送信側、受信側ともにVccへ低インピーダンスで終端しています。
速いエッジレートが特徴で高速性に優れていますがLVDSの構成と比較すると全体の消費電力は大きくなります。

図2:CMLドライバ/レシーバ ブロック図 ©Semtech Corporation

図3:LVDSとCML 終端方式とDC/AC結合の違い ©Semtech Corporation

図4:LVDSとCML 終端方式とDC/AC結合の違い ©Semtech Corporation

上記が、LVDSとCMLの違いです。
CMLはNRZ 25Gbps以上の広帯域化も可能ですが、LVDSのように規格化されておらず、また製品や企業ごとに入出力の仕様が異なります。さらに長距離の伝送の場合、送信・受信側のGND電位差にも配慮が必要となるため、図3のようにコンデンサ―を使用したAC結合の構成が一般的です。

それでは、これらCMLを使用したSerDesでのESD保護の構成と製品を紹介していきます。

セムテックのTVS製品

図5:RClamp3552TQの仕様 ©Semtech Corporation

セムテックのRClamp3552TQは、LVDSやCMLインターフェース等の高速差動ラインを保護するために特別に設計されています(図5)。最大寄生容量は0.4pFで、2本の高速データラインを保護します。
動作電圧(Vrwm)は3.5V。IEC 61000-4-2(ESD)仕様では、±20kV(Air)、±17kV(Contact)のESD保護を提供します。
 ・IEC 61000-4-2(ESD):±20kV(Air)、±17kV(Contact)
 ・ESD per ISO-10605 150pF/330pF,2kΩ:±30kV(Air)、±25kV(Contact)

図6:RClamp0534PWQの仕様 ©Semtech Corporation

セムテックのRClamp0534PWQは、LVDSインターフェースの高速差動ラインを保護するために特別に設計されています。最大接合容量0.18pFで4本の高速データラインを保護します。動作電圧は5Vで最大EOSピークパルス電流は4A(tp=8/20µs)です。ピーク電流4A時の標準クランプ電圧は4.3Vです。
・IEC 61000-4-2(ESD):±15kV(Air)、±10kV(Contact)

図7:RClamp3331PQの仕様 ©Semtech Corporation

セムテックのRClamp3331PQは、最大接合容量0.38pFで1本の高速データラインを保護します。作動信号ラインを保護するためには2つ使用する必要があります。動作電圧は3.3Vで、最大EOSピークパルス電流は10A(tp=8/20µs)です。
 ・IEC 61000-4-2(ESD):±30kV(Air)、±30kV(Contact)
 ・ESD per ISO-10605 150pF/330pF,330Ω/2kΩ:±30kV(Air)、±25kV(Contact)

TVSダイオードの選択は、最新の仕様や速度で車載システムを再設計する際に無視するのが一般的です。しかし、新しい回路仕様や速度により、TVSダイオードの選択基準も変化します。
Semtechのオートモーティブ・ハイスピード・プロテクション・ポートフォリオをチェックして、新しい設計でオートモーティブ・ハイスピード・データ伝送を保護するための適切なデバイスを選択してください。

セムテックのTVS製品については こちら
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Semtechは、世界で最も近代的な車載用電子機器の多くを保護するTVSダイオードのトップメーカーの1つです。厳しい車載環境では、通信バスとインターフェースを保護するために、TVSダイオードの慎重な設計と適切な選択を無視することはできません。
TVSの選定には、セムテック社が無償で提供しているサンプルブックを是非ご活用ください!

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